<< すべりだいのかけら >>

石井さんは、なんだかとても悲しくなってしまいました。
石井さんは子供のころに、そのすべりだいでよく遊んでいましたから。
思わずその場にしゃがみこむと、すべりだいで遊んだ思い出が、頭の中をかけめぐりました。
すると、自分でも不思議なくらいに、大つぶの涙があとからあとからあふれだしてきました。

「ともちゃんだね…　ずいぶんと大きくなったもんだ。 でも、泣き虫はあいかわらずなんだね…」
くらやみの中から不思議な声がしてきて、泣いている石井さんの耳にとどきました。
石井さんはあわてて涙をふくと、辺りを見まわしました。
「だれ…だれなの？」
「むかしはよく、いっしょに遊んだね…」
再び声がして、石井さんは声のしてくるほうを確かめようとしましたが、まったくわかりません。



  • しゃがみこむ : 웅크리고 앉다.
  • かけめぐる : 뛰어 돌아다니다.
  • あとからあとから : 계속해서.
  • あいかわらず : 변함없다.
  • くらやみ : 어두움.

        

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