<<おじいさんの海>>

「こんなところで、何をしていたんだい？」
「遠くのほうを、ながめていたんです」
「ほう、遠くかい…」
　おじいさんは丘のてっぺんまで登ってくると、ほこらの横にある大きな石にこしかけました。
「おじょうちゃんは知らんだろうが、昔はねぇ、ここから海が見えたんじゃよ。
こんな夕方はとってもきれいに見えたもんじゃい。
今では、家や工場が建ち並び、埋め立てもすすんですっかり見えなくなったがのう」
おじいさんは犬の頭をかるくなでました。
「わしはな、この丘に登って夕焼けの海を見るのがとても好きじゃった。
なんかこう、海を見ているうちに、自分が海の上をただよっているような気分になってきてな…」
それを聞いたサトは、おどろいて目をまん丸に開きました。



  • てっぺん : 꼭대기
  • 腰(こし)かける : 걸터앉다
  • 立(た)ち並(なら)ぶ : 늘어서다. 줄지어 서다
  • 埋(う)め立(た)て : 메우다
  • 撫(な)でる : 쓰다듬다
  • 夕焼(ゆうや)け : 저녁놀

        

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